院長のタケシです。3日目は朝から小雨の降るあいにくの天候だったのですが、朝一番のプログラムが、日本で初めてブローネマルクインプラントを導入した日本インプラント界のパイオニアでもある小宮山彌太郎先生が講演されるとあって、会場は満席の上、立ち見の先生方も大勢いたほどでした。
実は小宮山先生の講演は何回も聞いており、一番古いものでは学生時代の特別講義になります。今回の講演のタイトルは「最新は最善か?」。ここ数年でインプラントの技術、精度も飛躍的に向上してきたにも関わらず、依然としてインプラントに関するトラブルは後を絶ちません。患者様の立場に立ち、科学的根拠を踏まえ責任を持って治療に取り組むこと。当たり前のことなのですが、残念ながらそれが出来ない歯科医師もいます。そうならないように、自戒の念で今回も聴講しました。インプラントは患者様に再び噛む喜びを与えてくれる治療法である反面、失敗やトラブルが起きたときには少なからず患者様にダメージが及ぶこと、そしてそうなったときに歯科医師としての責任を全うする大切さを教えて頂きました。
そして、昼のランチョンセミナーにも再び小宮山先生が登場。講演タイトルは「インプラント治療におけるCT画像の必要性」。CTを使って診断には強気にあらゆる可能性を探ることが大切だと言い、最後のスライドは午前の講演と同様、師匠であるブローネマルク先生の近影とメッセージを紹介して終わりました。
「治療術式が大工仕事とは異なると考えるならば、その応用に当たっては先達が教えてくれた臨床経験を信頼し、臨床での予期せぬ問題点についての知識を持つ同僚、さらに永年にわたりその恩恵に浴してきた患者の意見に耳を傾けてください。これが医学です。 ペル・イングヴァール ブローネマルク 2008年9月21日 」