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補綴の新しいオプション・インプラントオーバーデンチャー

大寒波の影響で全国的に厳しい寒さとなった1月16日、東京は エッサム神田 にて ㈱GC 主催によります 満足されるデンチャーで患者が集まる医院を目指そう!セミナー に参加しました。講師の先生方は、東京都でご開業の 阿部二郎先生 と埼玉県でご開業の 亀田行雄先生 です。

 

一昨年の10月に参加した下顎吸着義歯セミナーでお世話になったお二方ですが、以前教わったことの復習と新しい情報がないかと思い参加を決めました。

 

連日悪天候が続いたため、飛行機が飛ばなかったらどうしようと心配しましたが、往復の飛行機とも天候に恵まれ順調に飛んでくれたので気を揉まずに済みました。

 

午前中は、亀田先生 の講義からスタート。歯科医院過剰の時代でより多くの患者様を喜ばせるために歯科医院の技術力を上げることは当然ですが、ここでは、義歯にスポットを当てて講演していました。1つは  「義歯が上手にできること」 もう1つは 「衛生士によるメンテナンス」 です。予防歯科の概念を義歯治療にも当てはめて考え CureからCareへ 提唱していました。

 

また、下顎総義歯の症例では、前歯部に2本のインプラントを埋入し、総義歯に着脱式のアタッチメントを使いより噛めるようにする、インプラントと総義歯を組み合わせた インプラントオーバーデンチャー について説明して戴きました。

 

メリットは総義歯でもしっかり物が噛めること、通常のインプラント治療に比べて埋入する本数が圧倒的に少なく手術の侵襲が少ないこと、インプラントの本数も少ないし義歯を使用する分補綴物が安価で済むため費用の面でも圧倒的に安いことが上げられます。しかし、注意点もあり、インプラント埋入の基本的な術式と解剖学的知識は必ず必要になること、しっかり適合した義歯を作製しなくてはいけないこと、定期的なメンテナンスは必要なことがあげられます。

 

午後からは、阿部先生の下顎吸着義歯についての講義がスタート。殆どの先生方が阿部先生の講義を始めて受講するなか、以前に実習まで経験した自分としましては、理解が足りなかったり、基本的な手技や知識を整理する絶好の機会となりました。

 

スナップ印象をする際、レトモラーパッドを無圧下で印象出来る フレームカットバックトレー はなかなかの優れものだなと思いました。

 

お二人の講義に共通する点として、臨床的にもさることながら、学術的にもしっかりとした理論を的確に伝えようとする姿だったと思います。そのため自分達の実際の臨床風景を動画に収めて公開し、スライドや写真ではなかなか伝わらない患者様とのやり取りや、義歯製作のための臨床的手技が見れたことはとても勉強になりました。前にも書きましたが、ポイントを押さえれば誰でも出来ることを目指し、多くの先生方に理解してもらうため科学的に証明しようとする阿部二郎先生の真摯な姿は非常に尊敬します。今回も判りやすく説明して戴きありがとうございました。